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マロマユな日々~チワワとの妄想生活~
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SSの重要性を認識した上で、PCSを今後どう捉えていくか。
今回のテーマはズバリ、演技構成点「PCS」です。
私は世界選手権の前に、アンコウ様という方のブログ浅田真央ファン夢日記のとある記事を読んでから
大会が終わった後もずっとPCSについて考えていました。

その、とある記事というのは、★技術的失敗と演技構成点の連関を求めたい!という記事で、
アンコウ様はここで「技術的失敗と演技構成点を切り離して採点する」ことについて、
転倒の目立つ選手がこの方法によって高いPCSを得ることについて意義を唱えていました。
この記事に対し、すみっち様という方が、興味深いコメントを残しました。
それは、PCSはSSを基準に採点されているという「SS基準方式」説でした。
その内容は実に的確で、かつこれまでぼんやりしていたPCSの輪郭を表すものでした。

今回は、アンコウ様、そしてすみっち様に許可をいただいて、こちらで「SS基準方式」をご紹介させていただくとともに、
フィギュアスケート資料室で和訳されているルールブック上のPCSの定義と照らし合わせながら、
私なりにPCSを今後どう見ていくか考えてみたいと思います。

かなり長い記事になりそうなので、場合によっては分割して書くかもしれません。
また、考えが右往左往して、矛盾したことを書くかもしれません(汗)
あと画像はほとんど入れない予定なのでつまらないかもしれませんがご了承ください(笑)




※初めにお断りしておきますが、これからご紹介する「SS基準方式」はすみっち様の私見であり、
PCSの各項目は独立しているという建前があることから、ルールブックには載っていません。
ただ、SSを基準にしている傾向とその根拠があり、このような考え方もできるという提案のようなものです。
その点をまずご理解ください。※


(ここからはアンコウ様の記事:★目からウロコ! SS基準方式を紹介します。より、一部引用させていただきます。)

【演技構成点(PCS)の略号】
 スケートの技術・・・・SS
 要素のつなぎ・・・・・TR
 演技力・遂行力・・・・PE
 振付・構成・・・・・・CH
 音楽との調和・・・・・IN

PCSとは【スケート全体の技術+表現】である。
SSとは定評や格付けではなく、【その選手のその日のスケーティングの出来・ありのまま】であり、
そのSSを基準にその日の演技が
  <まあまあの演技>
    TR:SS -0.5 PE:SS -0.25 CH:SS -0.25 IN:SS -0.25
  <良い演技>
    TR:SS -0.5 PE:SS ±0 CH:SS ±0 IN:SS ±0
という風なパターンで評価されている事が多く、これ以外のパターンだと、
ジャッジが口角泡を飛ばして選手に言いたい事と言っているイメージである。
ちなみに、TRが多項目よりマイナスが大きいのは、ジャッジの中でTRがSSや他のPCSの項目より、
はじめから少ない比重で採点されているという考え方が主流を占めているからであり、
比率はだいたいSS:TR=10:8.5くらいとのことである。

「失敗とPCSが連動している演技」の場合
ジャンプ転倒後、本人のモチベーションが下がりがっかり感が演技に出ているとPEが下がり、
転倒からの復帰が遅くて音楽に遅れるとINが下がり、音楽に追いつくためつなぎを省くとCHやTRも下がる。

反対に「失敗とPCSが連動していない演技」の場合
ジャンプ失敗後即立ち上がって何事もなかった様に演技を続ければPEはそんなに下がらず、
INやCHやTRも影響を大して受けない。


浅田真央選手の例をあげると、
  「失敗とPCSが連動している演技」
  <2010NHK杯FS>SS:7.46 TR:SS -0.6 PE:SS -0.82 CH:SS -0.25 IN:SS -0.5
  「スケーティングは素晴らしいし振付もいいのかもしれないけれど、なにしろ覇気がなくて表現もよくわからなかった」
  と言われている。

  「失敗とPCSが連動していない演技」
  <2008イエテボリワールドFS>SS:7.75 TR:SS -0.46 PE:SS -0.14 CH:SS -0.18 IN:SS -0.11
  「転倒後の気迫がものすごかった。(怪我した程の大転倒なので15秒程復帰にかかってるけれど)
  プログラムには何の影響もない。素晴らしい演技だった」

  <2009ロシア杯FS>SS:7.50 TR:SS -0.10 PE:SS -0.3 CH:SS ±0 IN:SS -0.05
  「ジャンプ失敗でがっかりしてるけれど、つなぎはとんでもなく濃厚だし、振付も表現も迫力が凄い。
  諦めずに頑張れ」というものすごいエールが聞こえる。

SSより少しでも高い評価を貰っている場合はスタオベ級の演技である。
ジャッジのPCSの持ち点は0.25間隔であり、過去のプロトコルを見ると、SS -0.5~+0.25以内に
収まっていることがほとんどである。ジャッジはこの範囲を逸脱することを恐れているように感じられる。
よって、SSより1段階(0.25)以上プラスを貰っていれば、大絶賛演技というイメージである。



以上がSS基準方式の内容と具体的な例です。
そして先日、アンコウ様がこの方式を使って世界選手権女子FSを検証して下さいました。
★SS基準方式を使ってみた。で上位選手について細かく検証してくださっています。
今回の私の記事では世界選手権について細かく検証する予定はないので、こちらを是非ご一読ください。
※アンコウ様から連絡があり、こちらの記事では「良い演技」と「まぁまぁの演技」を区別するため、
  シーズンの国際試合のTRの出方を振り返り、TRのいい演技をSS-0.25に変更しているとのことです。
また、以下はこの記事に出てくる重要な部分と思った言葉です。引用させて頂きます。


PCSとSSの正の相関は一目瞭然である。そしてよく見れば、SSと他のTR、PE、CH、INも正の相関を示している。そうであるならば、TR基準方式とかCH基準方式とか言ってもよさそうなものだが、このSS基準方式を紹介したすみっちさんは次のように言っています。

『ただ、藤森さんや岡部さんが「SSはフィギュアの全ての原点である」と強調されていたり、ジャッジは「各項目を横並びではなく、アセスメントを受ける可能性を恐れずに勇気を持って項目毎にメリハリをつけろ」と繰り返し指導されていると語っている前提には、SS基準の評価があると考えるのが自然かなと思います。』(* ここでアセスメントとは、ISUにジャッジを評価するシステムがあり、アセスメントとはそのことを言っている。)

『つまりPCSとは【スケート全体の技術+表現】です。』という認識なのである。『SSとは定評や格付けではなく、【その選手のその日のスケーティングの出来・ありのまま】であり、そのSSを基準にその日の演技が』採点されて行くと見ている。

また、アンコウは、SS基準方式は旧採点法のコンパルソリーの流れを汲んでいるような気がしている。スケートの技術向上をおろそかにしないというISUの方針がこのSSに込められているように思われる。



私はアンコウ様と、すみっち様のご意見から、ジャッジは今季急にSSを重視し始めたのではなく、
新システムになってからずっとSSを重視していたのだということを知りました。
また、今季ずっと問題に思っていた「技術的失敗と演技構成点を切り離して採点する」ことについても、
★SS基準方式を使ってみた。での検証からわかるように、SS基準方式に従ってみれば、
技術的失敗と演技構成点を切り離して採点しても良い演技だったかどうかきちんと判断されているように思います。


さて、SSがいかに重要であるかよくわかったところで、また1つ疑問が出てきます。
それは、いくらSSが重要で基準となるとはいえ、演技力や曲の解釈にまで影響してしまうのか?
SSがずば抜けて高ければPCSは底上げされるし、SSが高けりゃ何でもいいのか?という疑問です。

そこで、フィギュアスケート資料室より、PCSの各項目についての定義を確認してみます。
これまで偉そうに記事を書いてきた私ですが、実はきちんとPCSの定義を把握していなかったので(汗)
これを機にきっちり覚えたいと思います。

なお、以下は2004年時の定義であるため、現在とは異なる部分があるかもしれませんが、
大幅に違うということはないという前提で話を進めたいと思います。
また、ペア・アイスダンスに関する記述は割愛させていただきます。ご了承ください。

PCSの点数の意味は以下の通り。
10:exceptional とても優れている
9 :superior 優れている
8 :very good とても良い
7 :good 良い
6 :above average 中の上
5 :average 中くらい
4 :fair,reasonable まずまず
3 :basic 基本的
2 :weak 弱い
1 :poor 劣っている
<1:very poor とても劣っている


★スケート技術:SS★
【定義】
全体的なスケーティングの質。すなわち、エッジをコントロールする能力と、エッジ、ステップ、ターンなどの
スケート技術を用いて示された氷面上での流れ。また、それらの技術の正確さ。無理な力を使わずに加速したり、
スピードを変化させたりする能力。


(a)全体的なスケーティングの質
  無理のない方法で氷上を移動する能力
(b)多方向へのスケーティング
  時計回り、反時計回り、前向き、後ろ向き、すべての方向へスケートする能力
(c)スピードとパワー
  リンクの至るところを効率よく動き続ける能力
(d)エッジのクリーンさと確実さ
  直線でない確かなカーブを描き続ける能力
(e)滑りと流れ
  リンクの至るところを動く能力。圧力による氷とブレードとの相互作用という物理的性質を高める。
  氷上を滑った主な成果

【基準】
バランス、リズミカルなひざの動き、足運びの正確さ
・流れと楽な滑り
  リズム、強さ、クリーンなストローク、傾きを効率よく使って、ブレードに安定した滑りを伝えているか。
  また、体重をうまく乗せることで、無理な力を使わずに加速しているように見えるか。
・ディープエッジ、ステップ、ターンのクリーンさと正確さ
  クリーンでよくコントロールされたカーブ、ディープエッジ、ステップを見せているか。
パワー、スピード、加速の多様さ
  多様とは段階的に変化させていること。
・多方向へのスケーティングの熟達度
  フォアとバック、時計回りと反時計回り、すべての方向へスケートし、回転も両方向にされているか。
・片足スケーティングの熟達度
  両足スケーティングだけではいけない。


★要素のつなぎ:TR★
【定義】
すべての技術要素をつないでいる、多様で複雑なフットワーク、ポジション、動作、ホールド。
シングル、ペアでは技術要素の出入りも含む。


(a)要素をつなぐステップの難しさと質
  氷上を流れるためにスケーティングステップに変化をつける。
  ほとんどでクロスオーバーを使ったプログラムは減点されるべき
(b)要素をつなぐステップの創造性と独創性:要素への入りとしてイーグル、バウア、スパイラルなどの
  スケート技術を使う。スピードや流れを得たり保ったりするクロスオーバーだけではなく、
  プログラムの音楽的ハイライトを高めるようなステップ要素を使う

(c)要素の出入りの独創性や難しさ
  音楽的ハイライトとプログラムをつなぐために、クロスオーバーとは違ったステップ・要素を使う

【基準】
・多様さ
・難しさ
・複雑さ
・質

要素のつなぎは音楽に合わせて長くなったり短くなったりするが、ブレード、体、頭、腕、足を充分に使い、
クロスカットは最小限に止めるべきである。



★演技力:PE★
【定義】
音楽や振付けが意図するところを表現するための、肉体的、感情的、知性的な関わり。また、動きの質と正確さ。

(a)身のこなし
  氷上を移動しながら体を保つ方法
(b)スタイル
  スケートの質の特徴、音楽によって喚起される独特の表現方法
(c)姿勢
  音楽のフレーズによって喚起される様式に応じた、視覚的に満足がいくような体の動き
(d)スピードの変化
  足さばきの速さではなく動きの強さにより、選んだ音楽に応じて動きに変化をつける能力

フリーでは、(技術要素であれば-3に相当するような)転倒などの大きなエラーはそれぞれ0.5の減点。
すなわち、得点の最高はエラーの数による


【基準】
・肉体的、感情的、知性的な関わり
  どの種目でもスケーターは、音楽を充分に理解し、心の底から、全身で、すべての動作を行わなければならない。
・身のこなし
  身のこなしとはトレーニングされた体内の強さで、これによって体の中心からの動作を楽に行うことができ、
  姿勢は一つの動作から次の動作へ流れるように移る。

・スタイルと個性
  スタイルは、音楽によって喚起される独特なラインや動作。
  個性は、個々の好みと芸術的志向とが結びついて、プログラムの概念、様式、内容にもたらされるもの。
・動作の明瞭さ
  明瞭さは、洗練された体・手足のラインと、動作の正確な実施とによって特徴づけられる。
・多様性とコントラスト
  テンポ、リズム、勢い、大きさ、高さ、動作の形、角度を様々に使ったり、対比させているか。
・投影(プロジェクション)
  エネルギーを発し、観衆と目に見えないつながりを持っているか。


★振付け・構成:CH★
【定義】
バランス、統一性、空間、パターン、構造、フレーズの原理に従って、すべての動作を計画的に展開させた
独創的なアレンジ。


(a)調和のとれたプログラム構成
  選んだ音楽特有のフレーズを利用して、スケート技術とプログラムのハイライトを示す能力
(b)要素やステップ、動きの音楽との一致
(c)プログラムパターンの独創性や難しさ、多様さ
  つなぎのステップや対称的な動きにより高められた技術要素を、氷面を利用して見せる能力
(d)ハイライトの分布
  プログラム全体を通して音楽が組み立てられた結果、つなぎのステップ・要素、ジャンプ、スピンが
  表面全体に等しく配置されている

(e)空間と氷面の利用
  リンク全体を覆いながら全身で音楽のフレーズを表現し強調しつつ、音楽のハイライトを強調するような
  技術要素とつなぎのステップ・要素両方を使う能力


【基準】
・均整(重点のバランス)
  構成を美しくするために、各部に等しく重点を置いているか。
・統一性
  すべての動作が目的を持ってつながっているか。プログラムに統一性があるのは、ステップ・要素・動作が
  すべて音楽によって動機づけられ、また、大きくても小さくても各部がすべて全体の中で必要不可欠に思え、
  根底にビジョンがあったり、全編を貫く象徴的な意味があったりする場合である。

・公衆との空間の利用
  動作の一つひとつが、360度どの角度にいる観衆にも伝わるように行われているか。
・パターンと氷面の覆い方
  パターンや移動する方向にさまざまな面白さや意味を持たせて、デザインしているか。
・フレーズとフォーム
  動作が音楽のフレーズに合わせて構成されているか。フレーズとは、1つの衝動によって起こされ、
  展開し、帰結するまでの一連の動作。1つのフレーズは、楽に自然と次のフレーズへ流れる。
  フォームとは、適当な数と順序のフレーズによって表現されたアイデア。
・趣旨、動作、デザインの独創性
  動作とデザインについて個々に見通しを持ち、音楽や根底にあるビジョンから喚起される独創的な構成を
  追及しているか。



★曲の解釈:IN★
【定義】
氷上の動きを通じた、音楽の独創的、創造的表現。音楽のテンポに常に注意を払いながら、
テンポ・リズムを様々に使ったり、メロディ、ハーモニー、リズム、音色、歌詞、形式など音楽のニュアンスを
反映させる技巧を細かく使ったりする、解釈の熟達度。


(a)音楽に合わせる楽な動きと確実さ
  曲のリズム、テンポ、勢いに応じて、効果的なストロークと滑りを通して音楽を表現する能力
(b)音楽のフレーズの表現
  技術要素やつなぎのステップ、体の動きによって、選んだ音楽特有の抑揚を表現
(c)音楽のスタイルと特徴の表現
  体やスケート技術を使ってムードを表現し、音楽に広がりを持たせる
(d)音楽のデザイン構成の想像力
  プログラム全体を通して音楽の特徴を表現し続け、特にすべての技術要素が音楽原理
  (メロディ、ハーモニー、色、感じ、様式)によってつながっている

(e)要素やステップ、動きの音楽との一致

【基準】
・音楽に合わせた楽な動き(タイミング)
  リズム、テンポ、効果的な動作、無理のない流れを通して、音楽を正確に形にしているか。
・音楽のスタイル、特徴、リズムの表現
  プログラム全体を通し、体、スケート技術を使って、音楽の特徴、様式を表現しているか。
  メロディ、ハーモニー、リズム、音色、形式など音楽の構造に喚起される、ムード、様式、形態、
  主題を描写しているか。
・音楽のニュアンスを反映させた技巧
  作曲家や演奏者が音楽の強度、テンポ、原動力に細かな変化をつけるために用いた芸術的手法
  (ニュアンス)を、スケーターが、洗練された巧みな技で表現しているか。



以上がPCSの各項目の定義ですが、なるほど、納得の内容です。
以前は曲の解釈って何だよ!と思っていた私ですが、ただの勉強不足ですね(汗)。
これらの定義より、全ての項目がSSにつながっていることがよくわかりました。
また、「モチベーションが下がりがっかり感が演技に出ているとPEが下がり、音楽に遅れるとINが下がり、
音楽に追いつくためつなぎを省くとCHやTRも下がる。」
ということも、この定義から読み取ることができます。やはり、SS基準方式の信憑性は高いと思われます。
余談ですが、母が言っていた「真央ちゃんは失敗すると残念そうな顔をするのは止めた方がいい」というのは
実は的を射ていたんだなぁと思いました(笑)

さて、先に出てきた「いくらSSが重要で基準となるとはいえ、演技力や曲の解釈にまで影響してしまうのか?
SSがずば抜けて高ければPCSは底上げされるし、SSが高けりゃ何でもいいのか?」という疑問について。

ジャッジが高く評価する演技というのは、
「技術要素」「スケーティング」「表現」の3つが完璧に揃った演技のはずです。
少なくとも、多くの選手はこれを目指していると私は思っています。

しかし、この3つを試合で完璧に揃えられる選手はいないと言っても過言ではないでしょう。
どれかが優れていてどれかが劣っている、どれも平均的、それかだけが優れている、
というように、選手には得手不得手があるはずです。

これに対し、ここ数年の採点に疑問を抱く人が多くなったのは、
ジャッジがこの3点のどれかを重視し過ぎているせいではないか?と私は考えます。

(PCSは絶対評価ではありますが、過去の実績をある程度考慮しているはず、という前提で話を進めます。)
2009~2011シーズンは、とにかく「技術要素」は重要視していないように感じられたシーズンでした。

特に2009-2010は「スケーティング」でも「表現」でもなく、第4の項目「完成度」が重視され、
「技術要素」はGOEによって基礎点が無意味になることもありました。
そして2010-2011は「スケーティング」が重視されているように感じられました。
先に「ジャッジは今季急にSSを重視し始めたのではなく、新システムになってからずっとSSを重視していたのだ」
と述べましたが、昨季はやはりこの傾向が特に顕著だったのではないかと思います。
男子は4回転挑戦者が増え、基礎点も改正されたことから、一見「技術要素」の評価が上がったようにも思いますが、
世界選手権FSでノーミスだった小塚崇彦選手は、ミスがあったパトリック・チャン選手に
技術点で上回ることができても、PCS・SSの差でFSで勝つことができませんでした。

これは私の好みもあるかもしれませんが、
世界選手権FSの「表現」については小塚選手がチャン選手より勝っていたと私は思っていますし、
そういった意見を多く目にしたり、耳にしました。
また、小塚選手のスケーティングは現選手ではチャン選手に匹敵するレベルでありながら、
SSで1点近くもの差がつき、結果的にPCSで約9点もの大差がついてしまいました。
結果、チャン選手は「表現」でも「技術要素」でもなく「スケーティング」だけで小塚選手に勝ったのです。

女子SPでは、明らかにミスのあったキム・ヨナ選手が、PCS・SSの差でノーミスの安藤美姫選手を抑えて1位でした。
また、エッジエラーと思えるジャンプにeがつくこともなく、「技術要素」に対する評価に疑問も感じられました。
極端に言えば、「技術要素」も「表現」もないがしろにした採点だと感じた方もいたでしょう。
その結果、「スポーツなのに高難度技が評価されないのはおかしい」とか「ミスありで勝つのはおかしい」
という声が上がり、疑いの目を向けられたり、「陰謀論」が持ち上がったりしたのではないでしょうか。

採点競技である以上、誰もが納得できる点数がつくことなどありえません。
でも多くの人が疑問を抱くということは、理由はどうあれそれだけ点数と観客の感想に乖離があるということです。
この乖離を小さくするには、どれかを重視するのではなく、どれをも重視する必要があると思います。
私たちファンも同じく、転倒したら負け、ノーミスなら勝ちという単純な見方ではなく、
「技術要素」「スケーティング」「表現」のどれをも重視して観戦していく必要があるのでしょう。
(それでも疑問に思う採点と言うのは発生するわけですが…)
非常に難しいことですが、この3つが高レベルであることが重要だと私は思います。
そして、ジャッジもまたそういった採点を目指していると信じたいです。


最後に、フィギュアの原点であり、基準になるSSが果たして本当に定評や格付けではなく、
「その選手のその日のスケーティングの出来・ありのまま」を評価しているか、という点ついて。
確かにそうするようジャッジが努めていると感じるものの、過去の実績や他選手との比較を全くしていないか?
というと、そういうわけでも無い私は考えています。特に他選手との相対評価は絶対に存在すると思います。

ジャッジも人間ですし、選手やコーチのこれまでの発言や、国内外で評価が異なる選手がいることからも、
過去の積み重ねや実績は点数に考慮されているのは明らかですし、
選手の努力の結晶が実績として残るのですから、点数に反映されてしかるべきです。
また、競技なのだから、他選手と比べてより優れているという評価をするのは当たり前のことですよね。


そろそろまとめに入らないとまずいですね(汗)
ここまで書いて、ひねり出した私の答えですが…

今後は、まずスコア分析の際はすみっち様によるSS基準方式を取り入れてみようと思います。
アンコウ様も仰っていましたが、やってみると面白いんですよね。
それと、これまで何度か過去の成績との比較も行ってきましたが、これについては、
特に積み重ねが重要なGOEはもちろんのこと、絶対評価であるPCSについても、
過去との比較、特にシーズン中の比較は無駄ではないという方針で今後の記事を書いて行きたいと思います。

とんでもなく長い記事になってしまいましたが、最後までご拝読頂きありがとうございました。
しかもまとまりの無い文章で…すみません、本当に申し訳ないです。

昨季は熱くなって、納得いかない!と喚く記事ばかりでしたが(汗)
色々調べたり、たくさんの方の意見を聞くことにより、不正だなんだと思っていたことも
実はこういうことだったのか、でもそれならそれでこういう疑問が出てくる、と言う風に
より深い部分でフィギュアを見ていけるようになったような気がします。
来季はより冷静に、かつ自分の審美眼(ホントにあるのか?(笑))を信じて記事を書いて行きたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。


ご協力くださったアンコウ様、すみっち様、本当にありがとうございました。


<参考>
浅田真央ファン夢日記
フィギュアスケート資料室

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by chi-chan0322 | 2011-05-14 12:45 | フィギュアスケート
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